ネットショップを持続的に成長させるには、顧客と信頼関係を構築することが欠かせません。特に差別化を図るのが難しいEC事業では、顧客から信頼を獲得することがブランドロイヤルティの醸成やファンの育成につながり、価格競争から抜け出す力となります。
この記事では、顧客の信頼を勝ち取るための方法を解説します。これらを学び、eコマース事業の成長につなげましょう。
目次
顧客からの信頼を得る11の方法
- 人間らしい一面を見せる
- コンテンツマーケティングを通して顧客との関係性を作る
- セキュリティ対策を可視化する
- 複数の支払い方法を用意する
- 返品ポリシーにこだわる
- 顧客の問い合わせに対応できる体制を作る
- 商品情報を詳しく伝える
- サンプルの配布を検討する
- FAQページで顧客の不安を解消する
- 口コミを掲載する
- コストを明示する
1. 人間らしい一面を見せる
人間らしさが垣間見える一面を見せることで、消費者の警戒心を解き信頼獲得につなげることができます。ブランドや事業者がどのような人々によって構成されているかを紹介してみましょう。創設者やチームメンバーの紹介をすることで、人の手で作られたブランドであることを顧客に実感してもらうとともに、親近感を抱いてもらうきっかけになります。
この手法はエモーショナルマーケティングのひとつでもあり、事業の規模に関わらず有効です。以下のようなスモールビジネスの場合は商品購入の決め手にもなり得ます。
人間らしい一面を見せるのに最適なのが、ウェブサイトのAboutページです。商品ではなく事業者やその想いに焦点を当てることで、事業者の人としての魅力とブランドストーリーを同時に伝えられます。消費者のブランドに対する理解が深まり、信頼感につながります。
土屋鞄のランドセル向け特設サイトである土屋鞄のランドセルでは、ランドセル作りにかける思いやこだわりが綴られています。創業者で職人である土屋氏の経歴も紹介することで、人が信念を持って携わっている様子が伺え、親近感につながっています。
2. コンテンツマーケティングを通して顧客との関係性を作る
コンテンツマーケティングは、ブランドのことを知らない消費者にリーチする手段として有効です。消費者に役立つ情報を公開すれば、自然な形でブランドのことを知ってもらえるきっかけとなります。戦略的かつ継続的にコンテンツを作成・公開していくことで、自社が事業や業界、顧客の課題解決に対して力を入れていると示すことができ、顧客の信頼獲得につながります。
顧客からの信頼を勝ち取るには、次のようなコンテンツが活用できます。
- 有益情報コンテンツ:消費者にとって有益な情報を提供するインバウンドマーケティングの手法を活用し、役立つ情報源として認知度を高めます。
- 権威性コンテンツ:自社の強みや専門性、実績をアピールすることで信頼獲得を目指します。
- ユーザー参加型コンテンツ:消費者とのやり取りを増やすことで親近感を持ってもらい関係構築を目指します。コンテンツそのものにユーザーの意見を反映させるなど、ユーザーの声に真摯に向き合う姿勢を見せることでファン化が狙えます。
たとえば、ベッドやソファーなど家具を販売するRASIK(ラシク)は「くらしの情報」というブログを活用して、部屋に適した家具の特徴やレイアウト例といった消費者に役立つ情報を発信するとともに、家具に関する専門知識があることを示しています。
3. セキュリティ対策を可視化する
セキュリティ対策の可視化は、顧客との信頼関係構築に欠かせません。特に個人情報を扱うECサイト運営者にとって、サイバーセキュリティは非常に重要な課題です。サイトそのものが安心して利用できるものであることを示すために、どのようなセキュリティ対策を行っているかを明示しましょう。
ネットショップの信頼性を示すのに活用できるのが、信頼バッジです。信頼バッジとはウェブサイト上に表示できる、サイトが安全であることを示すマークです。セキュリティ認証マークなど、取得している認証を表示することで安心感を与えることができ、コンバージョン率の向上にもつながるでしょう。
4. 複数の支払い方法を用意する
複数の支払い方法を準備することも、安心して購入してもらうために有効な方法です。たとえば、PayPal(ペイパル)や後払い決済サービスを支払い方法として提供すると、消費者により多くの決済方法を提案でき、利便性を高めることができます。中にはクレジットカード情報をサイトに入力することに対して抵抗感を持っている消費者もいます。顧客が自ら支払い方法を選べる環境にしておくことで、カゴ落ち防止にも効果的です。
蓄電池などを販売するEcoFlow(エコフロー)の商品ページでは、「カートに入れる」ボタンのすぐ下にApple PayやAmazon Pay、PayPayなど、利用できる支払い方法のマークが表示されています。支払い方法を複数用意しているだけでなく一目で把握できるため、スムーズな購買体験につながっています。
5. 返品ポリシーにこだわる
顧客が納得できる返品ポリシーは、信頼獲得に効果的です。たとえば、購入30日以内は無条件かつ手数料不要で返品できる条件を設けた場合、購入を迷っている消費者も安心して商品を購入できるでしょう。顧客にとって好ましい返品ポリシーが整備できれば、購入を後押しすることができます。すべての顧客からの返品を無料で受け付ける余裕がない場合には、ロイヤルティプログラムに加入している顧客のみに限定するのも一案です。
ランニングシューズ・ウェアを取り扱うOn(オン)では、未使用かつ配送時と同じ梱包状態であれば購入日から30日以内の返品・交換を受け付けています。日本国内から返送する場合は返品送料もOnが負担するなど、柔軟な返品ポリシーを設けています。
また、返品ポリシーはサイト上の目立つ位置に設置して、サイト訪問者に明示することが重要です。次のような工夫をこらしましょう。
- 返品ポリシーページを作成する
- FAQページに返品ポリシーに関する項目を設ける
- 商品ページの一部に返品に関するセクションを設ける
- サイトのフッター(ページの下部)に返品ポリシーページへ移動するリンクを挿入する
6. 顧客の問い合わせに対応できる体制を作る
困った時やトラブルが起こった場合に対応する窓口があると、顧客に信頼できるサイトであるという印象を与えられます。問い合わせには、ウェブサイトの問い合わせフォームやメール、電話、SNSなどさまざまな方法が考えられます。これらの問い合わせに対して迅速かつ丁寧に対応することが重要です。
ECサイトで問い合わせに迅速に対応するには、Shopify Inbox(ショッピファイインボックス)のようなチャットサポートの導入が有効です。よくある質問にはAIで対応し、複雑な問い合わせには人が対応するなど、ハイブリッド化するとカスタマーサポートの効率化につながります。
女性向けファッションブランドのCOHINA(コヒナ)は、チャットサポートを導入して顧客が問い合わせしやすい環境を整備しています。対応時間を明記しているほか、問い合わせカテゴリーが複数表示されており、問い合わせの利便性を高める工夫がされています。
7. 商品情報を詳しく伝える
顧客が必要とする商品情報を詳しく伝えることは、信頼関係を築くことにもつながります。気になる商品がある顧客は、商品情報を見て購入するかの判断を行いますが、必要な情報がない場合や探さなければならない場合、不便さを感じてページを閉じてしまうことがあります。
一方で、必要な情報が詳しく記載されていると、顧客に配慮してサイトを作っているという印象を与えられるだけでなく、購入障壁を取り除くことにもつながります。
商品説明には、次の要素を入れるといいでしょう。
- 商品の正確な寸法と重量
- 原材料
- 保証に関する情報
- 各付属品の機能やメリット(「調整可能なストラップ」「利用者に合わせて調整できます」などの記載)
- 商品の細部がわかる画像や動画
- 使用上の注意
レディースファッションを扱うJ'aDoRe JUN ONLINE(ジャドールジュンオンライン)は、商品の説明に特徴やデザイン、シルエット、素材などをわかりやすく記載するだけでなく、コーディネートのコツやスタイリングの提案も行っています。生活の中での利用シーンをリアルに想像できるようになるため、商品の特徴やメリットなどが感じられやすくなっています。
8. サンプルの配布を検討する
商品サンプルを無料で提供することで、失敗したくないと考える顧客に安心感を与えることができます。見込み客のショップへの興味や購買意欲を引き出すのにも効果的です。
サンプル配布は、ショップ立ち上げの時期に販売数を確保するために特に活用される手法です。商品の質に納得してもらうことで、購入へのハードルを下げることができます。
成果につながるサンプルの提供方法には、次のようなものがあります。
- 一定数の人に商品を無料で提供してレビューを依頼し、十分な数の高評価レビューが集まったらサイトに掲載する
- インフルエンサーやブロガーに商品を送り、商品をPRしてもらう
- ポップアップストアやイベントで無料サンプルを配布する
サンプル配布の効果を最大限に高めるには、適切な人に提供する必要があります。コンバージョンにつながりやすい潜在顧客に配布することや、ブランドとの親和性が高いインフルエンサーを起用することが大切です。
9. FAQページで顧客の不安を解消する
顧客が必要とする情報をFAQページに集約して公開すると、顧客の不安解消につながります。FAQページは、ブランドや商品に関する消費者の疑問に答えるだけでなく、専門知識があることを示したり、商品に関する情報を提供したりするのにも活用できます。
FAQページに記載する内容は主に以下の通りです。
- 商品やサービスに関するよくある質問や疑問
- サイトポリシー
- 返品ポリシー
- 配送ポリシー
- トラブルがあった時の対応や保証
雑貨などを販売するFrancfranc(フランフラン)のFAQページは「商品不具合について」や「在庫について」などセクションごとに分類されています。各セクション内にはさらに「返品・交換について」など具体的な回答が簡潔に用意されており、必要な情報にたどり着きやすい工夫がされています。また、詳細を確認できるよう、各回答内にはほかのページへのリンクも設置されています。
10. 口コミを掲載する
同じ消費者という立場からのユーザーの声は、信頼できる情報として評価されます。重要なのは、ユーザーの口コミをありのままに掲載することです。評価が低いからといって掲載しないと、逆効果になる可能性があります。評価が低い口コミには返信を通じて謝罪し、問題の解決策を提案するなど、真摯に対応することで信頼低下を防ぐことができます。
口コミを掲載する際は、星評価に加えて、具体的な説明、投稿者の属性、投稿日時、画像や動画も掲載すると信憑性が増します。実際に、株式会社LeveL.Lの調査によると、信頼できる口コミの特徴として、投稿内容が具体的であること、写真・動画が掲載されていることが上位に挙げられています。
日本を代表するアパレルブランドであるユニクロでは、公式サイトを通じて積極的に口コミを収集し、商品ページに公開しています。星評価以外にも具体的な評価や着用サイズ、年齢などのユーザー情報が表示されており、購入を検討している顧客にとって有益な参考情報となっています。また、顧客の意見は商品開発や商品改良にも活かされており、ユニクロが信頼されるブランドへと成長した要因の一つといえるでしょう。
11. コストを明示する
送料や追加料金を含む総コストを明示することも、顧客からの信頼につながります。送料や消費税、ラッピング費用などがカート追加時には反映されず、いざ決済画面に進んだ際に想定よりも高い料金が表示されるようなECサイトだと、ユーザーが不信感を抱く要因になり、カゴ落ちにつながる可能性が高くなります。
顧客が安心して購入に進めるよう、次のような対応を心がけましょう。
- 商品説明ページには税込み価格を表示する
- 送料込みなのか、送料別なのかを明記する
- カートページには合計金額に加え、商品価格、消費税、送料の内訳を表示する
たとえば、世界最大級のeコマースプラットフォームであるAmazonでは、商品ページの時点で税込みの商品価格と送料が明記されています。その他の情報と混在しないよう、わかりやすく表示されている点も特徴です。
まとめ
顧客とのつながりを築くには、顧客の信頼を獲得しブランドに愛着を持ってもらうことが重要です。自社コンテンツを通じてブランドの想いを伝える、セキュリティ対策を徹底し可視化する、迅速なカスタマーサービスを提供するなど、今回紹介した取り組みを継続的に実施することで、顧客に安心感を与え、ブランドロイヤルティの醸成が期待できます。良好な顧客関係を構築し、ブランドの成長につなげていきましょう。
Shopifyなら、Aboutページや返品ポリシーの作成、ブログコンテンツの利用などを簡単に行えます。ネットショップを開設して商品を販売するeコマース事業を検討している方は、ぜひShopifyをご活用ください。
続きを読む
顧客との信頼関係の構築方法に関するよくある質問
顧客との信頼関係を構築する方法は?
- 人間らしい一面を見せる
- コンテンツマーケティングを通して顧客との関係性を作る
- セキュリティ対策を可視化する
- 複数の支払い方法を用意する
- 返品ポリシーにこだわる
- 顧客の問い合わせに対応できる体制を作る
- 商品情報を詳しく伝える
- サンプルの配布を検討する
- FAQページで顧客の不安を解消する
- 口コミを掲載する
- コストを明示する
ビジネスで売り上げゼロの段階から顧客の信頼を得るには?
- 一人ひとりに合わせた顧客サービスを提供して関係構築を図る
- 顧客にとって有益なコンテンツや資料を提供する
- 新規顧客向けにロイヤルティプログラムを提供する
- 返品ポリシーを明確に定め、目立つところに表示する
顧客との関係強化に必要なことは?
- 顧客のニーズや課題を理解する
- 一人ひとりに誠実な対応を心がける
- 顧客に対し定期的に情報発信する
- 顧客からのフィードバックをサービスに反映する
- メルマガやブログなどのコンテンツを活用する
文:Masumi Murakami





