お店やサービスなどを調べる際にまずGoogleを利用する人は60%以上と多く、検索結果に表示される店舗情報やわかりやすさは集客に大きな影響を与えます。そのため、ビジネスの認知度を高めたい事業者、特に、地域密着型でローカルビジネスを展開している個人事業主やスモールビジネスにとって、Googleビジネスプロフィールの活用は多くのメリットを秘めています。
この記事では、大手企業と検索順位争いをせず、低コストで成果につながるGoogleビジネスプロフィールにはどのような機能・使い方があるのか、登録方法から最適化の方法までをわかりやすく解説します。
Googleビジネスプロフィールとは

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)とは、Googleの検索結果やGoogleマップなどにビジネス情報を表示し管理するための無料ツールです。
表示タイプには「ローカルパック」と「ナレッジパネル」の2種類があり、検索内容によって変わります。
ユーザーがGoogleで「渋谷 パスタ」「東京 スイーツ お土産」のように「地名+キーワード」で検索した際、結果画面上部の枠内で近隣のマップとともに表示されるのがローカルパックです。
「渋谷 ヒカリエ」のように店舗や場所を特定した検索の場合は、電話番号や営業時間など、その詳細情報を含んだナレッジパネルが表示されます。
Googleビジネスプロフィールの主な機能
- 事業に関する情報の管理機能:店舗名や住所、営業時間や休業日、電話番号、メニュー、設備などの基本情報を登録・編集できます。
- 文字や写真、動画の投稿機能:文字や写真、動画などを使って情報を発信できます。カバー写真やロゴも追加できるため、ブランディングにも役立ちます。
- パフォーマンス分析機能:Googleビジネスプロフィールには、閲覧数や検索キーワード、予約数といったインサイトデータを収集・分析できる機能が搭載されています。これらのデータを分析することでユーザーの行動を把握し、マーケティングに活かせます。
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口コミ機能:顧客は感想やお店の雰囲気などを投稿でき、ビジネスのオーナーは返信できます。QRコード取得機能を使って、見込み客に簡単に口コミにアクセスしてもらうこともできます。

Googleビジネスプロフィールの登録方法
- Googleビジネスプロフィールでビジネス名を入力
- ビジネスの種類を選択
- ビジネスカテゴリを選択
- ビジネスの住所を入力
- 電話番号を入力
- オーナー確認方法を選択
- カスタマイズする
- 必要な場合は他の管理者を追加する
-
Googleビジネスプロフィールを開き、登録したいビジネス名を入力します。

- 店舗型か非店舗型か、ビジネスの種類を選択します。オンライン小売店を選択すると、ウェブサイトのURLを登録する画面になります(後から入力することもできます)。

- ビジネスのカテゴリを入力します。業種を入力するとプルダウンで候補が出るので、その中から該当するものを選びます。
- 会社の住所、ビジネスの所在地を入力・設定します。

- 電話番号を入力します。スキップすることもできますが、オーナー確認を電話番号で行うには、ビジネスまたは個人の電話番号が必要になります。

- 電話番号または住所を使ってオーナー確認を行います。
- 営業時間や説明、写真などを必要に応じてカスタマイズします。これらの設定は後からでも編集できます。

- コメントへの返答などの作業用に、従業員にもアクセス権を共有したい場合は、ビジネスプロフィールのその他アイコン(3つの点が縦に並んだアイコン)から「ビジネスプロフィールの設定」>「ユーザーとアクセス権」と進み、追加アイコンから管理者の追加を行いましょう。

また、新規登録をしなくても、ユーザーの口コミなどをもとにすでにGoogle検索やマップにビジネス詳細が表示されている場合があります。
その場合は、表示されているビジネス情報の「ビジネスオーナーですか?」から「管理を開始」をクリックし、画面上の指示に沿って操作してビジネスオーナーであることの確認を済ませるだけで、Googleビジネスプロフィールを利用できるようになります。
Googleビジネスプロフィールの使い方
事業の詳細情報
Googleビジネスプロフィールでは以下のような事業の基本情報を設定できます。
- 店舗名
- 業種
- 住所
- 営業時間
- メニュー
- 価格帯
- 電話番号
- 店内の写真・動画
ビジネスの基本情報だけでなく、店舗の雰囲気や商品について視覚的に伝わる写真を設定すれば、初めて訪れる店舗であっても安心感を与えられます。特に、Googleビジネスプロフィール上で最初にユーザーの目に付くカバー写真はビジネスの内容や雰囲気が伝わるものにすると良いでしょう。
ただし、Googleビジネスプロフィール上で使用できるのは、画像ならサイズが縦横250ピクセル以上で5MBまで、動画は最大30秒でファイルサイズは75MBまで、といった規定があるため注意しましょう。
口コミへの返信
ユーザーから寄せられた口コミに返信できます。その内容はほかのユーザーも閲覧できるため、肯定的な口コミには感謝を伝える、厳しい評価が付いた場合でも謝罪や改善策を伝えるなど、誠実な対応を心がけることで店舗の信頼を高められます。
高評価のレビューはUGCとしても扱えるため、「レビューを依頼」機能を使って口コミを増やすことも検討してみましょう。
ただし、口コミがいたずらや嫌がらせだと判断できる場合は、Googleに削除依頼を出せます。削除に時間がかかったり依頼が受け付けられなかったりすることもあるため、事実と明らかに異なる内容である場合は、返信欄を利用して対応・訂正するようにしましょう。
Googleビジネスプロフィールを使うメリット

無料で即時に導入できる
Googleビジネスプロフィールを利用するのにコストは一切かかりません。登録も、その後の編集にも費用がかからないため、マーケティングやSEO戦略にかけるコストがないビジネスでも即時に導入できるというメリットがあります。
また、チャネルを増やすことにもなるため、無料でマルチチャネル戦略を強化することにもつながります。
ユーザーにいち早く情報を届けられる
Googleビジネスプロフィールの情報はほかのコンテンツよりも上位に表示されるため、最新情報やキャンペーン情報などをユーザーに伝えたい場合には、特に有効となります。
ホームページやブログを上位表示させるには時間のかかるSEO対策が必要ですが、Googleビジネスプロフィールに登録していれば、店舗・ビジネス情報が上位表示され、プロフィールの更新もすぐに検索結果に反映されるため、より多くのユーザーへ的確に情報を発信できます。
また、外部サイトのリンクも設置可能なので、ネットショップの集客力を高める効果も期待できます。
データをマーケティングに活かせる
Googleビジネスプロフィールでは、ユーザーが店舗や商品を見つけた際の検索キーワードや、そのキーワードの検索回数など、さまざまなユーザーデータが表示されるパフォーマンス分析機能があり、集客力アップにつながるマーケティングアイデアが得られます。
たとえばペットビジネスを運営しているケースで、「ペットフード 健康」というキーワードの検索回数が多いことがわかれば、健康に配慮したペットフードを前面に広告を打ち出したり、定期購入割引キャンペーンを実施したりすることで、商品購入率アップにつなげられます。
インバウンド対策になる
Googleビジネスプロフィールの情報は、ユーザーのデバイス設定に応じた言語で自動翻訳されます。
特別な対応をしなくても、訪日外国人へ店舗の情報や魅力を効果的に伝えられ、インバウンド対策になります。ただし、店舗名や投稿内容の一部は自動翻訳されないことがあるため、正しく表記されているかどうかをきちんと確認するようにしましょう。
自動予約システムが導入できる
Googleビジネスプロフィールでは、「ぐるなび」などのオンライン予約サービスと連携して予約の自動受付を可能とする、「Googleで予約」機能を利用できます。
顧客にも店舗にも手間となる電話予約が必要なくなるため、フードビジネスにおいては顧客を逃すリスクの低減、電話対応や口頭予約で生じるミスや業務負担の軽減が期待でき、より効率的な店舗運営が可能になります。
Googleビジネスプロフィールを最適化する方法

ローカルSEO対策を練る
Googleビジネスプロフィールで登録する内容は、ローカルパックとして検索結果よりも上位に表示されます。このローカルパックで表示されるようにするために、関連性・距離・視認性の3つの観点からローカルSEO対策を行いましょう。
- 関連性:Googleビジネスプロフィールの情報が検索キーワードと一致するように、ビジネス情報を詳細に掲載する
- 距離:店舗までの距離が検索・指定された場所に近いほど有利になるため、住所や電話番号、サービスを提供している地域などを正確に入力する
- 視認性:知名度の高さが重視されており、ウェブ上のリンクや記事、口コミ数を増やすことが求められる
ローカルキーワードを複数記載する
近隣店の競合キーワードを調べるなど、検索キーワードを分析し、駅名や地域のイベント、商品名などユーザーが検索する可能性の高い単語を複数、Googleビジネスプロフィールに盛り込んでおきましょう。
ローカル検索の「関連性」が向上するとともに、店舗側が地域の情報を把握していることが伝われば、顧客からの信頼を高める効果も期待できます。
肯定的な口コミを獲得する
肯定的な口コミをGoogleビジネスプロフィール上で多く集めることができれば、検索エンジンのアルゴリズムにおいても優先順位が上がり、より多くの人に店舗の存在を認知してもらえる可能性が高まります。
ただし、総合評価が高くするために否定的な口コミを削除するなどの対応を安易に行わないようにします。否定的なレビューに返信するなどの対応を行うことで、店舗の誠実さが伝わり、信頼につながる可能性があります。
なお、Googleは口コミが操作されることを防ぐために、事業者からユーザーに対して肯定的な口コミを書くように要求したり、対価として報酬を支払ったりすることを禁じているため、注意しましょう。
まとめ
Googleビジネスプロフィールに登録することで、ユーザーがGoogleマップやGoogle検索した際に、店舗情報を検索結果ページ上部に表示できます。無料で利用できるうえに、有効活用できれば集客力を大きく高められます。
文字情報を伝えるだけではなく、写真や動画でお店の雰囲気を伝えたり、口コミに返信したりといったこともできるため、顧客からの信頼獲得につながり、来店や購入促進につなげられます。
地域密着型のビジネスで顧客へアプローチしたり認知度を高めたりしたい場合は、ぜひこの記事の解説を参考にしながらGoogleビジネスプロフィールを活用してみてください。
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よくある質問
GoogleビジネスプロフィールマネージャーとGoogleビジネスプロフィールの違いは?
Googleビジネスプロフィールマネージャー(ビジネスマネージャー)は、複数のビジネスのGoogle広告、Merchant Center、Googleビジネスプロフィールを一括管理できるツールなのに対し、Googleビジネスプロフィールは1つのビジネス情報を管理するツールである点が違います。
Googleビジネスプロフィールが表示されないときの対処法は?
Googleビジネスプロフィールが表示されない場合、いくつかの原因と対処法が考えられます。
- ガイドラインに違反している、またはステータスに問題がある場合:ヘルプページの情報に従って修正し、回復申請を行う
- ビジネス情報が正確に登録されていない場合:Googleマップや検索結果に表示される情報と入力した情報が正しいどうかを確認し、誤りがある場合は正確な情報を入力する
- 第三者の報告によってGoogleビジネスプロフィールが削除された場合:悪質ないたずらである場合は、ヘルプページ経由でGoogleに報告する
Googleビジネスプロフィールが勝手に更新されたときの対処法は?
Googleビジネスプロフィールが勝手に更新された場合は、自分で修正を行いましょう。情報の編集手順は、以下のとおりです。
- Googleビジネスプロフィールにログインして「プロフィールを編集」を選択
- 修正したい情報が入力されているページに移動し、変更ごとに「保存」を選択
修正後も何度も更新される場合は、第三者による悪質ないたずらの可能性があるため、Googleに報告して対応を依頼しましょう。
Googleビジネスプロフィールを削除する方法は?
- Googleビジネスプロフィールにログイン
- 「その他アイコン」>「ビジネスプロフィールの設定」をクリック
- 「ビジネスプロフィールを削除」>「プロフィールコンテンツと管理者を削除」をクリック
- 閉業の場合は「ビジネスに閉業マークを付ける」をオン
- 「続行」>「削除」>「完了」をクリック
文:鈴木 亜希子





