TikTok(ティックトック)の人気が高まるなか、多くのECブランドがTikTokのビジネスアカウントを活用し、新たな顧客へのリーチ拡大や、ブランドの可視性向上、収益増加を実現しています。とくに、ターゲットに刺さる動画を制作することで、フォロワーの増加や売り上げの向上が期待できます。
この記事では、TikTokマーケティング戦略に取り入れやすいネタづくりのアイデア15選を紹介します。TikTokのネタがないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
TikTokのネタづくりアイデア15選

1. トレンド動画
TikTokはトレンドの移り変わりが非常に早いため、現在流行している動画や音楽をタイムリーに取り入れることが重要です。トレンドを活用した投稿は、アルゴリズム上でも高い評価を得られる可能性があります。トレンドの探し方としては、「おすすめ」フィードに表示される動画を日常的にチェックする方法が最も簡単です。
流行の内容を取り入れる場合は、そのまま模倣するのではなく、「独自性」を加えてアレンジすることがポイントです。さらに、動画と親和性の高い人気ハッシュタグを適切に設定することも忘れないようにしましょう。適切なハッシュタグを活用することで、より多くのユーザーに動画が届きやすくなります。
たとえば、トレンドの音楽に合わせてダンス動画を投稿したり、話題のアイテムを実際に使用する様子を撮影し、「#◯◯してみた」といったハッシュタグを付けたりすることで、トレンドとの親和性を高めることができます。
2. プロセスを見せる動画
完成した商品を紹介する動画は一般的ですが、商品が完成するまでの過程を動画で伝えることで、ブランドや商品の背景、ものづくりに対する姿勢や創造性をより深く伝えることができます。その結果、共感を通じたファン化や、新規顧客の獲得にもつながります。
POMCANDLE(ポムキャンドル)は、スイーツのような見た目のキャンドルを制作する専門店です。キャンドルの制作過程だけでなく、火を灯してから徐々に溶けていく様子を動画で投稿しており、購入後の使用シーンや楽しみ方を疑似体験できるコンテンツとなっています。
3. ライフハック・知識系動画
日常の暮らしを便利にするライフハック動画や、楽しみながら学べるハウツー動画、難しい内容を分かりやすく解説する知識系の動画は、あとから見返す目的で保存されやすい傾向にあります。
保存数が多い動画は、アルゴリズム上「価値の高いコンテンツ」と判断されやすく、「おすすめ」に表示される可能性が高くなるため、動画のリーチ拡大やフォロワー数の増加につながりやすくなります。
家事ハックを中心に発信しているももこさんは、水切りヨーグルトの簡単な作り方を紹介する動画を投稿し、再生数235.2万回、保存数1.1万件を獲得しています。
4. 先行公開動画
新商品やキャンペーンの告知に先立ち、商品の概要やカラーバリエーション、制作過程の一部などをTikTokで先行公開することで、フォロワーの期待感を高め、継続的な視聴やアカウントへの再訪を促すことができます。
発売前から段階的に認知と期待を高められるため、新商品のローンチ施策として、企業がTikTokを活用する方法のひとつとして効果的です。
日本発ライフスタイルブランドであるPeony(ピオニー)は、クリスマスコフレの発売に先駆けて、商品の詳細に加え、商品が入っているボックスの活用方法を紹介しました。これにより、商品に新たな付加価値を与え、フォロワーのお得感を高めています。
5. Q&A動画
TikTokのQ&A機能を活用することでフォロワーのニーズを的確に把握できるため、フォロワーの知りたい内容にピンポイントで答える動画を制作できます。その結果、需要の高いコンテンツを提供できるようになり、フォロワーとの関係性をより深めることが可能です。
さらに、商品やサービス開発のヒントを得る手段としても有効です。たとえば、欲しい商品やカラー、サポート内容など、実際のユーザーの声を直接把握できるため、改善や新たな施策につなげることができます。
6. 舞台裏動画
商品やサービスの裏側を公開することは、制作過程や普段は見えない一面を伝えられるため、常に高い関心を集めやすいコンテンツです。ブランドや商品の裏側にある工夫や想いを可視化することで、ユーザーの共感を得やすくなり、信頼感や親近感を高めることにつながります。
たとえば、ファッションブランドのDarich(ダーリッチ)は、プロデューサーである斉藤早紀さんに密着し、洋服が完成するまでの過程や、その背景にある想いを舞台裏コンテンツとして発信しています。こうした制作の裏側を公開する動画だけで47.1万回も再生されており、ユーザーの関心が高いテーマであることが分かります。
7. POV(視点)動画
POV(視点)動画は、登場人物や撮影者の視点から撮影された動画のことで、視聴者があたかもその場にいるかのような臨場感を得られる点が特徴です。その結果、ユーザーとの距離が縮まり、親近感を高めながら、商品やサービスに対する心理的なハードルを下げる効果が期待できます。
8. Vlog(ブイログ)動画
Vlog(ブイログ)は、日常を通して、ブランドや人物への関心を高めるコンテンツであるため、継続的な発信によって新規顧客やリピーターを獲得したい場合に有効です。
このようなVlog形式のコンテンツは、EC分野で取り入れやすく、モーニングルーティンをはじめとした日常生活や旅行といったシーンのなかで商品を自然に使用する様子を発信することで、広告感を抑えながら実用性や汎用性を伝えられます。
9. 共感を生む動画
多くのユーザーが共感できるテーマは、自然と視聴回数が伸びやすい傾向にあります。たとえば、動物や子どもの可愛らしい瞬間や、仕事・デート・学校生活にまつわる「あるある」ネタなどは、幅広い層に受け入れられやすい題材です。
また、編集時には作り込みすぎず、自然体を意識した表現を心がけることがポイントです。過度な演出を避けることで、視聴者にとって親しみやすいコンテンツになります。
10. 海外TikTokを参考にした動画
海外でバズっているものの日本ではまだ浸透していないテーマは、日本市場でヒットした際に大きな注目を集めやすい傾向にあります。ただし、そのまま取り入れるのではなく、日本でまだ広がっていない理由を分析することが重要です。たとえば、日本のユーザーに最適化されていない点が原因であれば、日本の文化や価値観に合わせてローカライズすることで、バズる可能性が高まります。
また、比較的取り組みやすい方法として、海外動画に日本語字幕を付けて配信する手法や、海外トレンドの内容を分かりやすく簡潔にまとめた動画も有効です。制作の手間を抑えながらトレンドを取り入れられ、ヒットすれば大きなリーチが期待できます。
coffeeaddictは、海外で話題になっているニュースを発信するメインアカウントに加え、TikTokでトレンドになっている海外動画を1分程度に簡潔にまとめて配信するサブアカウントを運営しています。その結果、メインアカウントでは約12万人、サブアカウントでは約8.2万人のフォロワーを獲得しています。
11. コラボ動画
ほかのTikTokerとコラボすることは、新しいフォロワーや顧客を獲得するうえで有効なインフルエンサーマーケティング手法です。コラボ相手を選定する際は、フォロワー数だけでなく、そのTikTokerのフォロワー層に注目することが重要です。自社ブランドのイメージやターゲットと親和性の高いユーザーを多く抱えているアカウントほど、コラボ動画の効果を発揮しやすくなります。
12. 自社ブランド・商品・サービス紹介動画
自己紹介やブランド紹介の動画は、一度きりではなく、フォロワー数の増加に応じて定期的に発信することが重要です。新規フォロワーは過去の投稿をすべて把握しているわけではないため、あらためて自分やブランドの価値を伝えることで理解を深めてもらえます。
たとえば、フォロワー数が1万人・5万人・10万人などのマイルストーンに達したタイミングは、再紹介に最適です。
最近話題の家具ブランドであるLOWYAは、ブランド名の由来や特徴、目標などを発信しています。
また、紹介動画をプロフィールにピン留めすることで、新規フォロワーにも内容が伝わりやすくなり、エンゲージメント向上につながります。
13. ビフォー・アフター動画
メイクやファッションなどのビフォー・アフター動画は、変化を短時間で分かりやすく伝えられるうえ、そのギャップが視聴者の関心を引き、バズりやすい傾向にあります。
たとえば、メイクのビフォー・アフターを撮影する際には、変身に使用したメイク道具をさりげなく紹介することで、広告感を抑えながら商品を訴求することが可能です。同様の手法は、アパレル分野でも活用できます。
14. ライブ配信動画
ライブ配信は、ユーザーとリアルタイムで直接つながることができるため、商品発売の告知やプレゼント企画、割引などの特典を発表する場として有効です。
また、配信中に寄せられる質問にその場で回答したり、商品に対するフィードバックを得たりできるため、対話を通して顧客理解を深めるとともに、顧客満足度の向上にもつながります。
さらに、ライブ配信を通じて商品を販売するライブコマースを活用すれば、商品の魅力をリアルタイムで伝えながら購買を促進でき、ECの売上向上も期待できます。
15. ほかのSNSを参考にした動画
YouTube Shorts(ユーチューブショート)やInstagram(インスタグラム)など、ほかのSNSでバズっているネタをTikTok向けにアレンジする方法です。
たとえば、YouTubeで人気のあるコンテンツを15〜30秒程度の短尺動画に編集したり、視認性の高い字幕やテンポの良い演出を加えたりすることで、TikTokユーザーに刺さりやすい動画になります。
TikTokの構成を考えるときのポイント

TikTokの構成を考える際は、ストーリー性を意識することが重要です。
とくに冒頭では、視聴者の関心を引きつけるフックが欠かせません。問題提起を活用し、ターゲットとなるユーザーに「これは自分に関係がある内容だ」と感じてもらえる導入を意識しましょう。
次に、この動画を見ることで何が解決できるのか、どのような状態になれるのかを明確に示します。ベネフィットを提示することで、ユーザーの期待感が高まり、動画を最後まで視聴してもらえる可能性が高くなります。
そして、最後はポジティブなメッセージで締めくくるのが効果的です。
ECサイトでの購買を目的とした構成例は、以下のとおりです。
- 問題提起:デートに着ていく服がなくて悩んでいませんか?どんな服装が異性に好印象なのか、気になりますよね。
- 解決策の提示:今回は、デートに着てほしいワンピースNo.1をご紹介します。これ1着あれば、もうコーディネートに迷う必要はありません。
- 締めくくり:このワンピースを身に着けて、自信を持ってデートを楽しみましょう。
構成をテンプレート化しておくことで、安定した動画制作につなげることができます。
TikTokのネタ探しに悩まないためのコツ

メモをする習慣をつける
日常生活のなかで思い浮かんだアイデアや気づきをすぐに記録できるよう、普段からメモを取れる環境を整えておくことが重要です。アイデアは時間が経つと忘れてしまうことが多いため、思いついたタイミングですぐに記録しておくことで、ネタ切れを防ぐことができます。
たとえば、スマートフォンのメモ機能や手帳を活用し、気になった出来事や感じたことを簡単に書き留めておくと良いでしょう。
1日1アイデア考える
あらかじめアイデアのストックを作成しておくことで、ネタ切れに悩む必要がなくなります。具体的には、「トレンド」「プロセス」「ライフハック」などのジャンルをあらかじめ設定し、そのなかから1日1アイデア出すことを目標にすると、継続的にネタの確保をしやすくなります。
このように自分の中でルール化することで、アイデア出しの負担が軽減され、安定した投稿につながります。
まとめ
TikTokのネタは、トレンドや日常の気づき、海外TikTokの投稿など、さまざまな場所に存在します。ネタがマンネリ化してきた場合は、これまで活用していなかった視点や手法を取り入れることが有効です。また、一定数のフォロワーがいる場合は、Q&A機能を活用して、ユーザーの「知りたいこと」や「見たい内容」を直接聞くことで、効率的にネタを集めることができます。
さらに、日頃からネタ切れを防ぐためには、思いついたアイデアをすぐに記録できる環境を整え、1日1アイデアを目標に考える習慣をつけることが効果的です。こうした積み重ねが、安定したコンテンツ制作につながります。
TikTokのネタ探しに関するよくある質問
TikTokで使えるネタにはどのようなものがある?
TikTokで使えるネタ一覧は以下の通りです:
- トレンド動画
- プロセスを見せる動画
- ライフハック・知識系動画
- 先行公開動画
- Q&A動画
- 舞台裏動画
- POV(視点)動画
- Vlog動画
- 共感を生む動画
- 海外TikTokを参考にした動画
- コラボ動画
- 自社ブランド・商品・サービス紹介動画
- ビフォー・アフター動画
- ライブ配信動画
- ほかのSNSを参考にした動画
TikTokに最適なコンテンツとは?
TikTokに最適なコンテンツは、ニーズの高いネタや思わず「いいね」やコメントなどのアクションを起こしたくなる動画です。どのようなネタが求められているか迷う場合は、Q&A機能を活用して視聴者に直接質問する方法が有効です。
初めて投稿するTikTok動画のネタはどれがいい?
初めて投稿するTikTok動画のネタとして、創業者や商品の詳細などブランドの紹介につながるものが良いでしょう。その際、トレンドの音楽やハッシュタグを活用することで、多くのユーザーにリーチできる可能性が高まります。
TikTokでバズりやすいジャンルは?
TikTokでバズりやすいジャンルの一例は以下のとおりです:
- ダンスや音楽など「◯◯してみた」系
- ライフハック・知識系
- ビューティー・ファッション系
- おもしろ・あるある系
- 癒し系
文:Momo Hidaka





