メール、SNS、広告など、活用するチャネルが増えるほど施策やデータが分散し、どの取り組みが売上につながっているのかを把握しにくくなります。
こうしたマーケティング業務の複雑化を背景に、キャンペーン管理ソフトウェアの市場は拡大が見込まれています。株式会社マーケットリサーチセンターの調査レポートによると、日本のキャンペーン管理ソフトウェア市場は、2031年までに1億6,975万米ドル(約267億円)へ拡大する見通しです。
この記事では、キャンペーン管理ソフトウェアの基本機能と、日本語で使えるおすすめソフトウェア7選を紹介します。導入するメリットも解説しますので、複数チャネルの施策や成果を効率的に管理したい方はぜひ参考にしてください。

キャンペーン管理ソフトウェアとは
キャンペーン管理ソフトウェアとは、メールやSNS、検索エンジンなど複数のマーケティングチャネルにまたがるマーケティング施策を、計画から実行、効果測定まで一元管理するためのツールです。配信スケジュールの設定、ターゲットのセグメント化、内容のパーソナライズ、分析といった機能を備えています。
キャンペーン管理ソフトウェアを活用することで、担当者は施策ごとの成果を確認し、次の施策へ反映させることができます。

キャンペーン管理ソフトウェアの基本機能
使いやすい管理画面
キャンペーン管理ソフトウェアは、ユーザーが迷わず操作できるように設計されています。たとえば、わかりやすいナビゲーションやドラッグ&ドロップによる編集機能、情報が見やすく整理されたダッシュボードなどを備えています。
外部ツールとの連携
外部ツールと連携すると、施策を分断せずに運用しやすくなります。システム間で顧客情報や成果データを共有できるため、見込み客の獲得から分析まで、最新の数値にもとづいて施策を展開できるようになります。
たとえば、営業部門と顧客情報や対応状況を共有するには、CRM(顧客関係管理システム)との連携が有効です。GA4などの分析ツールと連携すれば、施策ごとの成果を追跡できます。また、AI機能を備えたツールと連携すれば、蓄積したデータをもとに成果予測を行ったり、顧客を自動で分類したりできます。
さらに、Shopify(ショッピファイ)などのネットショップと連携すれば、購入回数や購入商品などの購買データを、配信対象の条件に利用できます。
チームでの共同管理
共同管理の機能があると、リモート環境でもチームメンバー同士で作業を進められます。ソフトウェアによっては、担当者の割り当て、期限の設定、進捗の共有などをツール上で行えます。Asana(アサナ)やBacklog(バックログ)といったプロジェクト管理ツールと連携すれば、上記に加えて制作物や予算情報をまとめて参照できるようになるため、施策の進行管理や関係者間の情報共有を効率化できます。
レポート機能
レポート機能は、チャネルごとに見るべき指標が異なる前提で設計されています。SNS施策ではエンゲージメント数、フォロワーの増減、投稿がどれだけ届いたかを確認します。メール施策では開封率、クリック率、コンバージョン率などを分析します。インフルエンサーを起用した施策では、投稿ごとの成果と費用対効果を測ります。
このように、取り組むマーケティングの種類によって評価する指標は異なりますが、キャンペーン管理ソフトウェアを使えば、バラバラの画面で確認していた各指標をひとつの画面で確認できます。複数チャネルの数値を横断して見られるようになるため、どこに注力すべきか判断しやすくなります。
拡張性
拡張性のあるツールを活用すれば、実施する施策数が増えても、負担を抑えて運用できます。対象を絞った小規模な施策から、複数のチャネルや市場をまたぐ大規模な施策まで、事業ニーズの変化にも柔軟に対応できます。
会社の成長に合わせてツールの機能や規模を拡張していくことで、担当者は安心して施策を進められます。
日本語で使えるキャンペーン管理ソフトウェアおすすめ7選
1. HubSpot
HubSpot(ハブスポット)は、CRMやメールマーケティング、SEO、コンテンツ管理などをひとつの環境で利用できる統合型マーケティングプラットフォームです。キャンペーン機能を使い、メールやSNS、広告など複数チャネルの施策を作成、管理、分析できます。
見込み顧客の獲得から関係構築、営業活動までをひとつのプラットフォームで一元管理したい企業に適しています。
主な機能は次のとおりです。
- CRM連携:顧客情報や営業活動とキャンペーンデータを紐づけて管理できます。
- 共同利用:タスク、コメント、カレンダーなどの機能を使い、チームで施策を進行できます。
- 分析とレポート:キャンペーンの成果やコンバージョン、費用対効果(ROI)を可視化し、施策の改善に活用できます。
2. Salesforce
Salesforce(セールスフォース)は、顧客情報や営業活動を中心に管理するクラウド型CRMプラットフォームです。キャンペーン機能を活用し、メールや広告、イベントなどのマーケティング施策と、見込み顧客(リード)や商談情報を関連付けて一元管理できます。
見込み顧客や商談の管理を本格化させたい企業や、複数部門にまたがるデータを連携させたい企業に適しています。
主な機能は次のとおりです。
- リード管理:見込み顧客の情報や行動履歴を管理し、スコアや条件に基づいて分類できます。
- キャンペーン管理と効果測定:施策ごとに対象者や費用、反応を管理し、キャンペーンと商談を関連付けて売上への貢献度を分析できます。
3. Adobe Marketo Engage
Adobe Marketo Engage(アドビマルケトエンゲージ)は、Adobe Experience Cloudに含まれるAIを活用したマーケティングオートメーションプラットフォームです。メールやWebサイト、広告、ウェビナーといった複数の方法を組み合わせ、顧客の属性や行動に合わせたパーソナライズキャンペーンを実施できます。
顧客一人ひとりに合わせたオムニチャネルでのアプローチに加え、AIを活用した質の高い施策を行いたい企業に適しています。
主な機能は次のとおりです。
- リードナーチャリング:顧客の検討段階や行動に応じて、情報提供やフォローを自動化できます。
- クロスチャネル管理:メール、広告、Web、ウェビナー、イベントなどの施策を連携できます。
4. Shopify Messaging
Shopify Messaging(ショッピファイ メッセージング)は、Shopifyの管理画面からメールやSMSマーケティングキャンペーンの作成や配信ができる機能です。メールは毎月10,000通まで無料で、超過分は追加1,000通につき1米ドルからの従量課金です。
Shopifyに登録された顧客情報や顧客セグメントを使って配信対象を絞り込めるため、購入履歴などにもとづくメール施策を手軽に始めたい事業者に向いています。
主な機能は次のとおりです。
- メールキャンペーン:テンプレートを使ってブランドに合わせたメールを作成し、顧客セグメントを指定して配信できます。
- マーケティングオートメーション:カゴ落ちや決済直前の離脱、ニュースレター登録などの顧客行動をきっかけ(トリガー)に、最適なタイミングでメールを自動配信できます。
- 顧客セグメンテーション:注文回数や地域、メールの購読状況などの条件を組み合わせ、配信対象を絞り込めます。
5. Kairos3 Marketing
Kairos3 Marketing(カイロススリーマーケティング)は、見込み顧客の獲得や育成を支援するマーケティングオートメーションツールです。Webサイトの閲覧やメールへの反応などを記録し、顧客の関心度に合わせたアプローチを自動化できます。
マーケティング活動と営業活動を連携させ、確度の高い見込み顧客を営業担当者へスムーズに引き継ぎたい企業に適しています。
主な機能は次のとおりです。
- スコアリング:顧客の行動を数値化し、購買意欲を可視化できます。
- SFA(営業支援システム)連携:Kairos3 Salesと連携することで、顧客データや行動履歴を共有し、マーケティングから営業への引き継ぎを効率化できます。
6. b→dash
b→dash(ビーダッシュ)は、企業が保有する顧客データを統合し、分析やマーケティング施策に活用できるデータマーケティングプラットフォームです。CDP(顧客データ基盤)やBI(ビジネスインテリジェンス)、レコメンドなどの機能をひとつの環境で利用できます。
ECサイトや店舗、アプリなどに顧客データが分散しており、統合データをもとに一人ひとりに合わせた施策を展開したい企業に適しています。
主な機能は次のとおりです。
- マルチチャネル配信:メール、LINE(ライン)、SMS、プッシュ通知などを使って顧客にアプローチできます。
- データ統合:ECサイト、店舗、基幹システムなどに保存された顧客データをCDPに集約できます。
- パーソナライズ:顧客の属性や行動に基づき、Web接客や商品レコメンドを実施できます。
7. SocialDog
SocialDog(ソーシャルドッグ)は、SNSへの投稿やキャンペーン運営、データ分析などをまとめて行えるSNSマーケティングツールです。複数のSNSアカウントをひとつの画面で管理し、投稿作業や効果測定を効率化できます。
SNSキャンペーンを実施しながら、投稿の成果やユーザーの反応を継続的に分析したい企業に適しています。
主な機能は次のとおりです。
- 投稿管理:予約投稿や一括投稿を利用し、複数アカウントの投稿予定を管理できます。
- キャンペーン管理:応募状況の確認から抽選、当選者へのDM送信までを一元管理できます。
- 分析とリスニング:投稿や競合アカウントを分析し、指定したキーワードを含むユーザー投稿を収集できます。
キャンペーン管理ソフトウェアを導入するメリット
スケジュールを管理しやすくなる
キャンペーン管理ソフトウェアを導入すれば、施策に関するデータがひとつのプラットフォームに集まります。散らばっていた情報が整理されるため、必要なものを探す手間が減り、どの施策がどの段階にあるかを一覧で確認できます。
また、ほかの施策の進行状況も同じ画面で把握できるようになるため、後工程などを踏まえて配信日や公開日を決定できます。営業部門とマーケティング部門が同じ予定を確認しながら、円滑に施策を進められます。
顧客ごとに最適な情報を配信できる
キャンペーン管理ソフトウェアには顧客を細かく分類する機能があるため、購買履歴や行動にもとづいて対象を絞り込み、一人ひとりに合わせた内容を届けられます。多くのツールにはA/Bテストの機能も組み込まれており、ランディングページの見出しやメールマガジンの件名など、施策を構成する要素を比較できます。反応のよかったパターンを届けるべき相手に配信できるため、的を絞った施策となり、成果にもつながりやすくなります。
成果をデータで追える
多くのキャンペーン管理ソフトウェアはリアルタイムの分析機能を備えており、配信後の反響に応じて施策を柔軟に調整できます。レポートの項目をカスタマイズできるツールであれば、自社にとって重要な指標(KPI)だけを並べて確認できます。さらに、施策ごとの費用対効果を把握できるツールもあり、投入した費用がどれだけ売上につながったかを金額として可視化できます。データに裏付けられた判断が可能になるため、次の施策の改善にも生かしやすくなります。
まとめ
複数のチャネルで施策を進めると、数値が管理画面ごとに分散し、成果の出どころが見えづらくなりがちです。こうした状況を改善できるのが、キャンペーン管理ソフトウェアです。さまざまなデータを1か所に集約し、計画から効果測定までスムーズに進められるようになります。
ソフトウェアを選ぶ際は、管理画面とサポートが日本語に対応しているか、導入しているカートシステムと連携できるか、料金体系が自社の規模に合っているかを確認しましょう。
Shopifyでは、管理画面から使用できるShopify Messagingを提供しており、月10,000通まで無料でメールを配信できます。Shopifyは無料体験も実施していますので、キャンペーン管理を一元化したい方はぜひお試しください。
キャンペーン管理ソフトウェアに関するよくある質問
キャンペーン管理ツールとは?
マーケティング施策の計画、実行、分析、改善をひとつの画面で進めるためのソフトウェアです。メールやSNS、広告など複数のチャネルにまたがる施策を一元管理できるようになります。
Shopifyにキャンペーン管理の機能はある?
Shopify管理画面から使えるShopify Messagingで、メールキャンペーンを配信できます。また、Shopify App Store(ショッピファイアップストア)には、ストアと連携するキャンペーン管理アプリが公開されています。
たとえばLINE配信に対応した「CRM PLUS on LINE(シーアールエムプラスオンライン)」や、メール配信やポップアップ表示に対応した「SendWILL Popup Email Marketing(センドウィルポップアップイーメールマーケティング)」などが挙げられます。
無料で使えるキャンペーン管理ツールやソフトウェアは?
- HubSpot
- Salesforce
- Shopify Messaging
- SocialDog




