見込み客や新規顧客をお得意様に育てるためマーケティング活動を強化する際、取り組みやすい施策の一つにメールマーケティングがあります。
読者に役立つ情報を定期的に配信することで企業に対する信頼感が育まれ、やがて購買や問い合わせにつながるといった好循環が生まれるメルマガは、ポイントを押さえて運用すれば着実に成果をあげられます。
本記事では、メルマガの作成や配信のコツ、便利なツール、注意点などメールマーケティング戦略の立案に役立つポイントを解説します。

メルマガとは
メルマガとは「メールマガジン」の略で、読者に向けて定期的・継続的に配信されるニュースレターのことです。企業や店舗などが配信元となり、読者の関心に合ったトピックや、役立つ情報を届けます。
見込み顧客も既存顧客も対象となり、直接的な販売よりも信頼関係を築くことが主な目的です。読者に価値ある情報を継続的に提供することで、ブランドへの理解やロイヤルティを高めていきます。
eコマースでは、新規メルマガ登録者にクーポンをプレゼントするなどキャンペーン施策の一部として活用されることも少なくありません。

読まれるメルマガの作成・送り方のコツ7選
- ターゲットと目的を明確にする
- 件名の工夫で開封率を高める
- 本文はテーマを絞って整理して書く
- HTMLメールとテキストメールを使い分ける
- 冒頭を工夫して引きつける
- 配信頻度と時間帯を最適化する
- 行動を促す導線とフッターを整える
1. ターゲットと目的を明確にする
ターゲット層の設定により、最適なメルマガの内容、スタイルなどが左右されるため、市場セグメンテーションやペルソナ設定を行いましょう。対象がB2BかB2Cかによっても、読まれる時間帯や閲覧環境(PC、スマホ等)は変わるため、適切なセグメント配信を行うことが大切です。専門的な情報提供型なのか、やや軽めの読み物型なのかといったメルマガの文体や雰囲気も、ターゲット層に合わせるとよいでしょう。
また、1通ごとに読者にどう行動して欲しいかという目標(メールマーケティングのKPI)を設定しましょう。資料請求、商品ページ閲覧、関係維持などのゴールを決定することで、情報の順番や使用する画像、リンク先などが定まります。曖昧なままメルマガを書くと情報の焦点が定まらず、マーケティングの効果が得にくくなってしまいます。
2. 件名の工夫で開封率を高める
件名は20文字前後を目安に、重要なキーワードを前半に置きます。特にスマホの場合は、長すぎると後半が省略されやすくなるため、件名は簡潔にしましょう。
Urgent(緊急性がある)、Unique(独自性がある)、Ultra Specific(超具体的)、Useful(有益)という4Uの原則を活用するのもおすすめです。特に、「30%オフ」「○月○日まで」「ポイントが2倍に」などの数字や期限を含めた表現は具体性があり、目に留まりやすくなります。緊急性については、毎回「最後のチャンス」のような表現を使うと信頼を損ねてしまうため、本当に必要なときにだけ使いましょう。
一方で、あえて落ち着いた件名にする戦略もあります。読者層によっては、広告色を薄めることで、読み物として受け取ってもらいやすくなる場合もあります。
3. 本文はテーマを絞って整理して書く
1通に入れる情報は多くても2テーマまでに抑えましょう。伝えたいことが多い場合は、別のメールに分割した方が読了率は上がります。
重要なポイントは冒頭に置きます。結論、理由、具体例、結論(再度)の順で書くPREP法を意識すると、論点がぶれにくくなり、読者にも伝わりやすくなります。
見た目を読みやすくするために、一段落は4行程度と短めにして段落間には余白をいれるとよいでしょう。また、幅の狭いスマホ画面で読まれることを前提に、文の途中での改行はしないようにします。
メルマガテンプレートを活用すれば、初めてメルマガを作成する人でも効果的な本文構成にできます。
4. HTMLメールとテキストメールを使い分ける
画像やボタンを活用するなら、視覚的に訴求でき、クリック計測も可能なHTMLメールが向いています。ただし、色数を増やしすぎたり装飾を重ねすぎたりして広告感が強くなる、すべてを目立たせようとしてどこも目立たなくなるといった失敗に陥らないように注意する必要があります。
一方、解説やコラム中心の内容であれば、テキストメールの方が落ち着いた印象で読まれやすくなります。特別なツールを使わずに作成できる点も利点です。読者層によっては、シンプルな方が信頼されやすいこともあります。
HTMLが表示されない環境もあるため、自動でテキストメールに切り替えて送信する設定にしておくと安心です。メール配信サービスのマルチパートメール機能を利用する方法が一般的です。
5. 冒頭を工夫して引きつける
ヘッダーや導入文などの冒頭は、読者が読み進めるかどうかを判断する部分のため、有益な情報が含まれていることを伝えるようにしましょう。ただし、長すぎると読者が読み進めるのをやめてしまうため、あいさつなども含め簡潔にまとめるのが基本です。本文の要点を短く示すだけでも効果があります。
あるいは、親近感を抱いてもらったり読者の感情に訴えかけたりするために、トレンドや個人的ニュースを取りあげた導入文にする方法もあります。
画像を置く場合は、イベント告知や新商品の紹介など意味のあるものにします。単にデザイン目的の画像はスクロール量を増やすだけになり逆効果になる可能性があります。
受信者名の差し込みは親近感を生みますが、顧客名データベースの不備による入力ミスや表記ゆれのリスクも伴います。氏名欄に役職が混在するなどのケースも考えられ、確認工数が増える点も考慮が必要です。
6. 配信頻度と時間帯を最適化する
配信は継続が前提ですが、毎日配信するなど無理な頻度を設定すると内容が薄くなってしまいます。一方で、配信頻度が少なすぎるとコンバージョンにつながる機会が減ってしまうため、初めてメルマガを配信する場合は、週1回から始めるのがおすすめです。
ブラストメールの調査によると、成果を出しているメルマガの8割以上は週1回以上配信しており、配信頻度が多すぎることによる解除が心配な場合でも、週1回程度の配信であれば効果が見込めるでしょう。
配信時間は、BtoBなら出社後や昼前後、BtoCなら夜間など、読者の生活リズムに合わせた仮説を立てて検証します。A/Bテストやメール配信システムの分析機能を使って傾向を把握し調整しましょう。
7. 行動を促す導線とフッターを整える
メルマガには必ず「次の行動」を用意します。CTAボタンは多すぎると読者を迷わせるため1~2個にし、目的に直結するリンクを中心に配置します。
フッターには配信元情報とメルマガ解除のリンクを明記します。解除しやすい設計は、一見マイナスに見えても長期的には信頼につながり、読まれるメルマガになります。

メルマガ作成に役立つツール
メルマガの作成や配信には、配信管理や効果測定を効率的に行える専用のプラットフォームを利用するのが一般的です。
- Shopify Messaging(メッセージング):ストアの顧客データと連携しながら、パーソナライズしたメルマガの配信や自動送信が行えます。Shopify(ショッピファイ)ユーザーであれば、Shopifyアプリストアからインストールするだけで導入できます。
- ブラストメール:高い到達率と安定した配信速度が特徴で、Gmailへ配信したメールの受信ブロック、迷惑メールフォルダへの振り分けも防いでくれます。
- 楽楽メールマーケティング(旧配配メール):ドラッグ&ドロップでHTMLメールが作成できる簡単操作が特徴で、サポートも手厚いため、メルマガの作り方がわからない初心者でも手軽に始められます。
- Benchmark Email(ベンチマークイーメール):HTMLメール作成に特化したツールで、文章や画像の作成をサポートしてくれるAI機能があります。
- Mailchimp(メールチンプ):プラットフォームは日本語非対応ですが、直感的に使用できるため国内企業も多く利用しているツールです。Shopifyと連携できる点も魅力です。
自社の運用体制や必要な機能に合わせて、通常のメルマガ配信に加え、再入荷通知やおすすめ商品案内など、EC特有の自動配信機能にも対応したツールを選ぶと、業務負担を軽減しながらメルマガを運用できます。

メルマガ配信に関わるコンプライアンスと対策
メルマガは、特定電子メール法や個人情報保護法などの法律に則った運用をすることが求められます。配信にアプリやプラットフォームを使う場合でも、自分で作成して送る場合でも、最終的な責任は送信者側にあるため、以下の点を順守しましょう。
- 広告・宣伝を目的とするメールは、原則として事前に受信者の同意(オプトイン)を得てから送信します。
- 受信者がいつでも配信停止できる方法(リンク等)を明示します。
- メール本文には送信者の氏名・名称、受信拒否の通知先(メールアドレスまたはURL)と「受信拒否できる旨」、住所、問い合わせ先(電話番号またはメールアドレス等)といった表示が必要です。
- 「いつ・どこで・どのように同意を得たか」など、事前の同意を証明する記録を保存しておく必要があります。
また、運用面では、Gメールの送信者ガイドライン違反、配信停止の依頼をうけた後も送り続けてしまう対応遅れ、メルマガ解除方法のわかりにくさなどは、苦情や信頼低下、到達率低下につながるため気をつけましょう。
さらに、迷惑メールフォルダに振り分けられないようにするためには、送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)を設定して、なりすましと誤判定されにくい状態を整える必要があります。これには、SPFレコードを作成してドメインを管理しているDNSに登録するといった複雑な手続きが必要ですが、メール配信システムを利用することで、認証手続きも行ってもらえます。
まとめ
メルマガは、読者との信頼関係を築くための継続的なコミュニケーション手段です。メルマガで成果をあげるコツは、ターゲットと目的を明確にし、件名や構成、配信頻度などをターゲットに合わせて設計することです。1通ごとのゴールを定め、読みやすさと行動導線を意識することで効果が高まります。
また、メルマガを運用する際は、特定電子メール法などのルールを守り、適切な同意取得や配信停止手続きの整備を行うことも欠かせません。ツールを活用しながら、読者の立場に立った運用を続けることが成果につながります。
メルマガに関するよくある質問
効果的なメルマガの作り方は?
効果的なメルマガを作るコツは、ターゲットと目的を明確にし、件名で関心を引き、テーマを1~2個に絞って価値ある情報を簡潔に伝えることです。読みやすい構成を意識して適切なCTAを設け、配信停止方法や送信者情報も明記することで、信頼を損なわず継続的な関係構築につなげられます。
メルマガの基本的なレイアウトは?
メルマガは、簡潔で具体的な件名と、要点を示す導入文から始めます。本文は短い段落や見出しで整理し、スマホでも読みやすい構成にします。最後に送信者情報、配信停止方法を記載するのが基本です。
メルマガのタイトルや文章を考えるコツは?
メルマガの件名は20文字前後を目安に、重要なキーワードを前半に置くのがコツです。また、具体的な数字を含めるのも効果的です。
メルマガ本文も、重要なポイントを冒頭に置くのが有効です。結論、理由、具体例、結論(再度)の順で書くPREP法を意識して文章を書くことで、読みやすく理解しやすい内容になります。
すべてのメルマガに退会ボタンが必要?
広告・宣伝を目的とするメルマガには、受信者がいつでも配信停止できる方法を明示することが特定電子メール法で定められており、フッターにわかりやすい解除方法を記載する必要があります。
文:Norio Aoki





