商品紹介動画は、ECの売上向上やブランド訴求を支える動画マーケティングの重要なコンテンツです。一方で、画像やテキストと比べて制作のハードルが高いため、まだ取り組めていない企業も多いでしょう。
本記事では商品紹介動画とは何かを解説し、動画作成のコツや事例を紹介します。ターゲットオーディエンスに効果的に訴求できる商品紹介動画を作りたい方はぜひ参考にしてください。

商品紹介動画とは
商品紹介動画は、特定の商品を効果的に訴求するためのマーケティング動画です。新商品の機能や特長、使用方法を分かりやすく伝えることを目的とし、ECサイト、SNS、商談・プレゼンテーションなど、さまざまな場面で活用されています。
具体例として、以下のようなものがあります。
- 新商品紹介動画:新たに発売する商品の制作背景や主な特徴を整理する動画
- ハウツー動画:商品の使い方や操作手順を具体的に示す動画
- 機能紹介動画:商品の仕様や強みを整理して伝える動画
- ブランディング動画:ブランドの世界観やコンセプトを軸に構成する動画
- インタビュー動画:利用者の声や使用シーンを紹介する動画

商品紹介動画の5つのメリット
検索結果での露出を高めやすい
商品に関連する動画コンテンツを自社サイトに掲載することは、検索結果での露出を高めるうえで有効です。「商品名 使い方」や「商品カテゴリ 比較」といった検索キーワードに対応する動画を用意しておくことで、その情報を探しているユーザーと接点を持つことができます。たとえば、Google(グーグル)検索では通常の検索結果とは別に「動画」や「ショート動画」タブが設けられているため、キーワードに関連する動画が一覧で表示されます。
特に、競合が動画を用意していない場合は、動画タブ内での露出によって差別化につながるため効果的です。
SNSで拡散されやすい
X(エックス)やInstagram(インスタグラム)などのSNS上では、ユーザーの興味関心にあった動画がタイムライン上で自動再生されるため、拡散されやすい特性があります。また、動画は、視覚と音声の両方で情報を伝えられるため、テキストや静止画よりも短時間でも強い印象を与えやすく、保存やシェアにつながりやすいコンテンツです。
たとえば、商品の使用シーンを15〜30秒にまとめたショート動画を投稿すれば、広告配信に頼らなくても関連ユーザーのフィードに表示される可能性があります。
さらに、再生回数や保存数、コメント数などのエンゲージメントが高い投稿は表示機会が増える傾向があるため、視聴者の関心を引く動画はさらに多くのユーザーに届きやすくなります。
フォロワー以外の層にも情報が届くことで、顧客の新規獲得につながるケースもあります。
購入前の不安を軽減できる
オンライン販売では、実物を手に取れないことが購入の障壁になりますが、動画で商品の詳細や使用イメージを具体的に伝えることで、購入前の疑問や不安を軽減できます。
たとえば、アパレル商品であれば着用時のシルエットや動き方を映像で表現することで、静止画だけでは分かりにくい質感やフィット感を伝えられます。購入後のイメージが正確に伝わることでコンバージョン率の向上や、購入後のミスマッチによる返品の抑制につながります。
短時間で多くの情報を伝えられる
文章では伝わりにくい商品の強みや特徴を、図解やナレーションを組み合わせた動画にすることで、短時間で直感的に理解できます。
たとえば、コーヒーメーカーであれば、豆の風味を引き出す抽出プロセスや内部の構造をアニメーションで可視化できます。技術的な内容をテキストだけで説明するより、製品の特徴や差別化ポイントを分かりやすく伝えられます。
商品の価値が正しく伝わることで、購買導線の最適化につながります。
ブランドイメージを形成しやすい
動画は、演出やBGMにこだわることで、顧客の感情に訴えかけ、ブランドの世界観や価値観をより強く印象づけるのに有効です。
たとえば、環境に配慮した商品であれば、製造過程や素材選定の様子を映像で伝えることで、企業の取り組みや姿勢を具体的に示せます。文章よりも情緒的に訴求できるため、ブランドへの共感を高めやすくなります。
こうしたポジティブなイメージの積み重ねは、ブランド構築につながります。

商品紹介動画作成の5つのポイント
1. ターゲットと目的を明確にする
商品紹介動画を制作する前に、「誰に向けた動画なのか」と「動画を通して何を達成したいのか」を整理しましょう。同じ商品でも、ターゲットや目的が異なれば、構成や伝え方は大きく変わります。
たとえば、マーケティングファネルにおいて興味・関心段階の潜在顧客向けであれば商品の特長を分かりやすく伝えることが重要です。一方、比較検討中のターゲットオーディエンス向けであれば、他社との違いや強みを明確にすることが効果的です。
どの層をターゲットにするのか、そして購入検討のどの段階にいるのかを明確にすることで、動画で伝える内容の優先順位が整理されます。
2. 伝えるメッセージを絞る
動画を通して伝えたいメッセージを明確にすることで、視聴者に内容を理解してもらいやすくなります。1本の動画で伝えるポイントは1〜3点程度に整理し、「この動画で何を知って欲しいのか」をはっきりさせましょう。
たとえば、多機能な商品であっても、動画内では最も差別化できる強みやターゲットの課題に直結する特徴に焦点を当てる方が効果的です。その他の仕様や詳細は商品ページや別コンテンツで補足することで、潜在顧客が情報を整理しやすくなります。
伝える軸が定まると、構成や演出の判断にも一貫性が生まれ、動画全体の完成度が高まります。
3. ユーザー目線で信頼を生むストーリーを構成する
視聴者の目線に立ってストーリーを組み立てることで、「なぜこの商品が必要なのか」を自然に伝えられます。たとえば、次のような順序で展開すると分かりやすくなります。
- 状況:はじめに、日常の中で感じている不便さや悩みを提示します。現実味のあるシーンを描くことで、視聴者が自身の状況と重ね合わせやすくなります。
- 理由:次に、その状況に対する解決策として商品を登場させます。使い方や機能を紹介しながら「なぜ解決できるのか」を伝えることで、説得力が高まります。
- 結果:最後に、使用後の変化を具体的に描きます。作業がスムーズになった、時間に余裕が生まれたなど、実感できる変化を示すことで、商品の価値がより明確になります。
さらに、口コミや実績、サポート体制などの情報を適切に盛り込むことで、安心材料にもなります。
4. 使用シーンを具体的に描く
商品の活用場面を動画で具体的に描くと、視聴者は自分が使っている姿を想像しやすくなり、価値がより実感を伴って伝わります。
たとえば、使用する時間帯や場所、利用者の動きや表情まで丁寧に映し出すことで、暮らしの中に商品があるイメージがより現実的になります。
具体性が高まるほど納得感が生まれ、購入への心理的ハードルが下がります。その結果、スムーズな意思決定につながります。
5. CTAを設ける
CTA(コールトゥアクション)を動画内で示すことで、興味を持った視聴者を行動へと導きやすくなります。
たとえば、「概要欄から商品ページをチェック」「こちらの電話番号へ今すぐお問い合わせ」など、動画の目的に合わせた行動を提示することで、視聴者は迷わず次のステップへ進めます。CTAは動画の最後だけでなく、必要に応じてテロップやナレーションで適切なタイミングに組み込むのも効果的です。
商品紹介動画を成果につなげるには、視聴後の行動まで設計しておくことが重要です。
商品紹介動画の事例6選
1. 株式会社エムール
健康家具を販売する株式会社エムールは、高座椅子の商品紹介動画で、顧客が抱える課題とその解決策をストーリーにして分かりやすく描いています。
動画は、年齢を重ねた父親がソファから立ち上がる際に苦労している様子を、息子が目にするシーンから始まります。日常の中にある小さな不便を提示することで、視聴者の共感を引き出します。
その後、息子がエムールのオンラインショップで高座椅子を注文する場面へと展開し、実際に父親がその椅子に腰掛けるシーンへとつながります。高座椅子に座った父親は、以前よりもスムーズに立ち上がれるようになり、自然な笑顔を見せます。
課題の提示、商品の導入、解決後の変化という流れを丁寧に描き、商品の価値を感情面から伝えています。
2. ヤーマン株式会社
美容家電を販売するヤーマン株式会社は、洗顔器の商品紹介動画を、明確なターゲットを設定した構成で制作しています。
動画は、仕事終わりの若い女性が疲れた表情でメイクを落としているシーンから始まります。忙しい日常の中でスキンケアに十分な時間を取れないという課題を提示し、視聴者の共感を引き出します。
その後、「おやすみ前のたった1分で綺麗に」というメッセージが表示され、商品を使用した場合と使用しない場合の洗顔を比較する展開へと進みます。機能や仕様はイラストや図解を用いて説明されており、複雑な内容でも直感的に理解できるよう工夫されています。最後は、商品を使用した女性が明るい表情を見せるシーンで締めくくられます。
働く若い女性というターゲットに焦点を絞り、その悩みと生活シーンに沿って構成されているため、ベネフィットが伝わりやすい仕上がりになっています。
3. 及源鋳造株式会社
南部鉄器を販売する及源鋳造株式会社は、自社の鉄フライパンについて、サビのお手入れ方法を紹介するハウツー動画を公開しています。この動画は、既に購入した顧客へのサポートにとどまらず、鉄フライパンの購入を検討しているものの手入れに不安を感じている人にとっても、心理的なハードルを下げる内容となっています。
動画の冒頭では、実際にサビが発生したフライパンを映し出し、現在の課題を明確に示しています。その後、お手入れに必要な道具を紹介しながら、具体的な手順を順を追って解説しています。また、金たわしの使用を避けるなど、やってはいけない注意点もあわせて伝えています。
動画の概要欄には、実際に使用している鉄フライパンの商品名やECサイトの商品ページへのリンク、ブランドの各種SNSへのリンクが掲載されており、視聴後の行動につなげる導線も設計されています。
4. 株式会社DHC
健康食品を販売する株式会社DHC(ディーエイチシー)は、サプリメントの商品紹介動画で、視聴者が共感しやすい日常シーンをテンポよく配置し、冒頭から関心を引きつけています。
動画は、ソファに寝転びながらスナック菓子を食べる若者の姿から始まり、不規則で栄養バランスの偏った生活を象徴するシーンが短いカットで続きます。その後、「ラクして栄養40種」というメッセージとともに商品が紹介され、登場人物が実際に商品を口にする場面で締めくくられます。
BGMには聞き覚えのある楽曲をアレンジした替え歌を採用していて、動画全体にポップで親しみやすい雰囲気を持たせています。
5. 土屋鞄製造所
革製バッグを販売する土屋鞄製造所は、「働く人の鞄」をテーマに、自社のレザートートバッグを紹介する動画を制作しています。企業で働くビジネスパーソンをターゲットに想定し、日常の利用シーンを丁寧に描いている点が特徴です。
動画の冒頭では、デスクに置かれたバッグにノートPCを収納する様子が映し出されます。その後、仕事を終えた登場人物が帰宅し、子どもに迎えられてリビングへ向かい、バッグを静かに置くシーンで締めくくられます。
概要欄には、動画内に登場する商品の名称とECサイトの商品ページへのリンクが記載されています。あわせて、土屋鞄製造所の各種SNSへのリンクも設置されています。
6. 株式会社デイトラ
オンラインプログラミングスクールを運営する株式会社デイトラは、視聴者に自社サービスを検索してもらうことを目的に、サービス紹介動画の最後にCTAを設けています。
動画の冒頭では、SNSで話題となった実績や口コミを紹介しています。その後、ノートパソコンに向き合いながら学習に取り組む女性の姿を背景に、ユーザー満足度の高さや未経験でも継続しやすい点を伝えています。具体的な学習内容よりも、安心して始められることを訴求する構成です。
動画の締めくくりでは、検索バーにサービス名を入力するアニメーションを表示しています。視聴者がサービス名を検索し公式サイトへアクセスする導線を示すことで、サービス申し込みにつながる可能性を高めています。
商品紹介動画作成の注意点
制作期間と費用を事前に見積もる
商品紹介動画の制作期間や費用は、内容や尺によって大きく変わります。特に制作会社へ依頼する場合は、企画段階で見積もりを取り、スケジュールと予算を確認しておきましょう。制作期間の目安は2週間〜2か月程度、費用は10万円〜100万円前後が一般的です。ただし、タレントの起用やロケ撮影を行う場合は、さらに時間やコストがかかることもあります。
著作権を必ず確認する
音楽や画像素材を使用する場合は、著作権を含めた利用条件を必ず確認しましょう。商用利用可能なフリー素材であっても、クレジット表記が必要なケースがあります。権利処理をせずに使用すると、削除依頼や法的トラブルにつながる可能性があるので注意が必要です。
音量バランスに注意する
BGMやナレーションの音量バランスが適切でないと、視聴者に不快感を与えたり、内容が伝わりにくくなったりします。スマートフォンやPCなど複数のデバイスで再生し、音量や聞き取りやすさを確認しましょう。
正確な情報を発信する
動画は公開後の拡散力が大きく、修正には手間や費用がかかるため、価格や仕様などに誤りがないか、スクリプト作成や編集段階などのタイミングでチェックしましょう。制作会社へ依頼する場合でも、シナリオや訴求内容を自社で確認し、丸投げにしない姿勢が大切です。
まとめ
商品紹介動画は、商品の魅力や使用イメージを短時間で伝えられる有力なマーケティング施策です。検索結果での露出拡大、SNSでの拡散、購入前の不安軽減、ブランディングなど、さまざまな場面で効果を発揮します。
制作する際は、まずターゲットと目的を整理し、内容や構成を検討します。視聴者の関心を引くために冒頭でインパクトを与え、伝えるメッセージを絞ることが重要です。また、課題と解決策を示すなど、成果につながりやすい設計も意識しましょう。
本記事で紹介したポイントや事例を踏まえ、自社の商品やターゲットに合わせた商品紹介動画を制作してみてください。
商品紹介動画に関するよくある質問
商品紹介動画とは?
商品紹介動画とは、商品やサービスの特徴、使い方、ベネフィットなどを伝える動画コンテンツです。ECサイトの商品ページだけでなく、SNSや動画共有プラットフォームなど、さまざまなチャネルで活用されています。
商品紹介動画はなぜ重要?
商品紹介動画が重要な理由は以下の通りです。
- 検索結果での露出を高めやすい
- SNSで拡散されやすい
- 購入前の不安を軽減できる
- 短時間で多くの情報を伝えられる
- ブランドイメージを形成しやすい
商品紹介動画を作るコツは?
商品紹介動画を作る際は、以下のポイントを意識しましょう。
- ターゲットと目的を明確にする
- 最初の数秒で興味を引く
- 伝えるメッセージを絞る
- 問題提起と解決策をセットで示す
- 使用シーンを具体的に描く
- CTAを設ける
文:Hisato Zukeran





